苦手意識は記憶から生まれる

ライフスタイル「認知論」
常に自分だけの主観的なモノサシで物事を分類してしまう。

以下、岩井俊憲氏の「人間関係が楽になるアドラーの教え」からの引用です。

・苦手意識は記憶から生まれる

カウンセリングしていると、よく耳にするのが、「苦手な人がいる」という悩みです。

ある女性の悩み。

「私は威圧的な人が苦手なんです」

という彼女に、こう質問しました。

「威圧的な人の、どういうところが苦手なんですか?」

すると、彼女は子どもの頃、とても厳しかった学校の先生の記憶を話してくれました。

その先生に威圧的な態度で何度も叱られた思い出が強烈で、先生と似たタイプの人には拒絶反応が出てしまうということです。

このように、人は誰かと出会ったとき、自分のなかの経験をもとに、一瞬のうちに人を判断しがちです。

「この人って、苦手な先生に似ているからあまり関わりたくない」

と、過去の経験や知識にしたがって、人の好き嫌いをなかば決めつけてしまいます。

心のなかに分類ボックスがあって、いつも無意識のうちに「苦手」・「得意」・「まあまあ」の箱により分ける作業をしています。

アドラー心理学では、こういう主観的なものの見方を「認知論」という言葉で説明しています。

「認知論」とは、「人間は、たとえ同じものを見たり聞いたりしても、人によって、それらの受け止め方が大きく違う」という考えです。

なので、私たちは、たとえ同じ人と出会っても、「感じの良い人だ」と思う人もいれば、「イヤミな人だ」と思う人もいるのです。

常に自分だけの主観的なモノサシで、物事を分類してしまうということです。

ですので、ある人を一瞬で苦手ボックスに入れてしまうと、意識しない限りなかなか新しいボックスへ入れ替えることはできなくなります。

そうすると、苦手な人は、ずっと苦手な状態が続くわけです。

そうした行動や思考パターンは「ライフスタイル」とよばれています。

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